?月 Welcome to Nightmare
Hope is a waking dream.
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【20XX年?月】
暗い、昏い。
此処は何処だ?嗚呼、夢か。
...、全部夢なら良かったのに。
地球が滅亡したことも、大好きだった家族が死んでしまったことも、私だけが生き残ってしまったことも。
«...ごめんね、後はよろしく»
涙で歪んだ瞳に映った✕✕✕は黒く塗りつぶされてどんな顔をしているのか私には分からない。
嫌だ、独りにしないで、お願い✕して。
けれど、右手に繋がれた303が必死に細胞を動かして私を生かそうとする。
右目の視界はだんだんと明瞭になって、大好きだった義姉の最期の姿をはっきりと映す。
こんなはずじゃなかった、皆と楽園で幸せになるはずだったのに。
私の横にはもう、笑いあってくれる人は誰も居なくて。
私の前にはもう、手を引いてくれる人の背中も見えなくなってしまった。
«だけど後ろには、あなたを待っている人が居るはず»
壁一面に映し出された真っ黒な液晶の中、17つの緑の光が偶然か必然か一つの軸に重なろうとしている。
私がいる第1軍事基地よりも遥遠くの孤児院で。
これは賭けだ。
誰もいないかもしれない、もしかすると生きていないことだってあるかもしれない。
──それでも、
「...今度こそ、皆救ってみせるんだ」
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«それじゃあ、目を覚まさないとね»